裁判員制度の問題

福岡地裁小倉支部で16日まで開かれた強盗殺人事件の裁判員裁判で、補充裁判員を務めた大阪市港区在住の会社員男性(24)が、職場に裁判員に選ばれたことを話したところ「欠勤扱いにする」と告げられたことを明らかにした。閉廷後にあった裁判員経験者の記者会見で語った。

裁判員制度が決まった頃に,私は「制度が社会に浸透するまではあまり引き受けたいとは思わない」と言ったことがある.新しい制度なので細かい不備があって自分が不利益を受けるのではという不安,「裁判官に選ばれたことを公にしてはいけないけれど,家族,上司などには(そもそも必要なので)伝えてもよい」といった決まり事のあいまいさ,などいろいろな理由があるが,「(日本の)企業がこのような制度にすぐには適応できない」と感じていたこともある.そして,どうも最後の点に関しては,ある程度は正しい予測であったらしい.

とはいえ,今ごろになって個別の問題として取り上げられる程度のことなので,たいていの企業はある程度きちんと対応した,とみなすことはできるだろう.ただし,有給休暇扱いにさせられた例はこれまでもあったという話も出ている.それに,休暇はくれたけれど,その後の会社の扱いが悪くなった,とかは表には出てこない問題だろうなあ,とも思っている節もある.