ボットネットの有効活用

 ボットネットといえば一時期はスパムメールの送信で勢力を振るっていたが、最近はスパムメールを取り巻く環境の変化から苦境に立たされており、そのためボットネットの新たな活用方法の道を模索する動きが広がっている。

  (中略)

 ある団体では、スパムメールの送信には見切りをつけ、ビッグデータの処理基盤としてボットネットを活用しようとしている。先にも説明したように、ボットネットには、司令塔となるコンピュータから指令を受け取ったり、乗っ取ったコンピュータから抜き取った情報を特定のホストに送信したりする機構がすでに存在する。この団体では、これらの機構を応用して、処理するデータの受け渡しができるようにした。また、高度なステルス技術を生かすとともに、なるべくユーザーがコンピュータを操作していないときにデータの処理を行うよう工夫しているため、ユーザーがプログラムの存在に気づくことはまずないという。

 ストレージに関しては、現在は個々のコンピュータのローカルディスクに頼っているとのことだが、将来的には、対象のコンピュータが初期化されても問題ないよう、DropboxGoogle ドライブMicrosoft OneDrive などといったクラウドストレージの活用も検討しているという。

最近のボットネット事情

まあ、なんというか、とんでもない時代になったものだ。