クラウド

センターの開設は2008年8月。日本で最初の「クラウド・センター」になった(現在はNECなども開設)。顧客を招き、システムの実証や研修をしてもらうのが最大の目的だ。IBMには米国に巨大なサーバー群があり、そこにアクセスさえすれば実は同じことができるらしいが、その方法は日本人の顧客には不評だったとか。

「やはり実物が目に見えると安心感があるようです」。マシンルームはあえてガラス張りになっている。クラウドの時代に逆行するような感覚なのだが、「IBM」のロゴが光るマシンには、なぜかどっしりした安定感を覚えるのも確か。グーグルやヤフーが持つ一種の「軽さ」は、コツコツとモノづくりをしてきた日本企業のカルチャーとは距離がある。大型コンピューターで培った「ブランド」を最大限生かしつつ、クラウドの時代に遅れまいとするIBMのしたたかさを感じた1日だった。

「クラウド」を見に行く IBM晴海センターのねらいは?

最近は「日本人には『目に見えないもの』(実体のないもの,概念的なもの)に対する拒否感が強い人が多い」ということを感じていて,時折それを口にすることもあるが,そういった拒否感はこんなところにも現れているらしい.